多くの方は「◯◯な時に片頭痛が起こりやすい」というように自覚的な誘因を持っています。人によって誘発因子は異なりますが、ストレス、月経、空腹、天候の変化、睡眠の過不足、においや光、首の痛みや肩こり、アルコールなどが片頭痛の誘因として挙げられます。
また、一部の方は片頭痛が悪化し、慢性的な頭痛(慢性片頭痛)が起こるようになりますが、薬の服用過多、カフェイン摂取、ストレスの多い生活などが悪化の因子として考えられています。
片頭痛の発症や悪化は、生活習慣・食生活の改善、薬の服用・鍼灸施術を受けるタイミングなどにより防ぐことができる可能性があります。
●精神的ストレス
ストレスを受けているときや、ストレスから解放された時に頭痛が起こりやすくなります。
頭痛と精神的ストレスは関係が深く、片頭痛を訴える方の約70%は、頭痛の発症に「ストレス」が関係していると自覚があります。また、ストレスから解放されたときに頭痛が起こるというケースもあります。
●においや光
香水などの「強い匂い」やスマートフォンなどの「強い光」により頭痛が起こることがあります。
香水やたばこなどのにおい、救急車やパトカーのサイレンなどの音などで頭痛が起こるケースがあります。
また、においに刺激による頭痛の誘発は、片頭痛の鑑別に有用とされています。
●月経周期
女性は月経周期に関連して頭痛が起こりやすくなる方がいます。
女性の片頭痛患者の約半数は月経周期に関連して頭痛が起こることを自覚しており、特に月経数日前から月経中にかけて発症することが多いです。この時期の頭痛は、通常よりも重度で頭痛の持続時間が長く、治療効果が得られにくいことが特徴として挙げられます。
●空腹や特定の食品摂取
食事を抜いたり、特定の食品を摂取することで頭痛を引き起こすことがあります。
空腹時には血糖値が低下し、それにより頭痛を誘発することがあります。
また、チーズやチョコレート、柑橘類、乳製品などの特定食品には片頭痛を誘発する成分が含まれています。
無理な食事制限をする必要はありませんが、量を控えめにするなどの注意が推奨されています。
●天候の変化
気温が高いときや雨・台風による気圧の変化により頭痛が起こる方がいます。
朝晩の気温差が大きい春先や、台風が多い夏から秋にかけて起こりやすいといわれており、
交感神経の過剰な興奮や酸素濃度の低下などが関係していると考えられています。
●睡眠の過不足
過剰な睡眠、睡眠不足、不規則な睡眠は頭痛を起こしやすくなります。
睡眠の過不足はホルモンの分泌に影響を与え、頭痛を発症すると考えられています。
●首・肩こり
首の痛みや肩こりがある方は頭痛が起こりやすいことがあります。
首・肩こり・痛みは片頭痛の予兆でもみられ、多くの片頭痛患者にその自覚があります。
●アルコール
アルコールを摂取すると頭痛が起こりやすい方がいます。
アルコールは血管を拡張させる作用があり、禁酒または摂取量を減らす必要があります。
特に赤ワインは注意が必要です。