【原因】
片頭痛の原因は、はっきりと解明されておらず、神経説・血管説などが有力視されてきました。しかし現在では、頭蓋内・硬膜(脳)の血管に分布している三叉神経が何らかの刺激に反応することで神経伝達物質(CGRP、SPなど)を放出し、血管の拡張や痛み、吐き気などの症状を引き起こしていると考えられています。
片頭痛に悩まされる方は日本では10人に1人と言われており、20〜40代の女性に多くみられる傾向にあります。さらに、片頭痛を患っている方の約3割に前兆症状(下記記載)がみられると報告されています。
【症状】
頭の片側または両側に「ズッキンズッキン」と脈打つような痛みが4〜72時間持続するのが特徴です。また、歩いたり起き上がったりなどの日常動作でも痛みが増すこともあり、頭痛の程度が中程度〜高度な場合は寝込むほど辛く日常生活に支障をきたすこともあります。片頭痛では、頭痛の前に起こるとされる「前兆の症状」が現れることがあります。
前兆症状として、突然視界の中に稲妻のようなギザギザの光の波が現れ、徐々に視界が暗くはっきり見えなくなる「閃輝暗点」が特徴的です。その他に、頭痛発作中は感覚が過敏になっているため、普段気にならないような光・音・においを不快に感じてしまったりします。
診断基準は、同様の発作が過去に5回以上あり、週2回〜月1回程度の発症がみられるかになります。片頭痛のうち、月に15回以上の頭痛が3ヶ月以上続き、そのうち月に8日は片頭痛の特徴をもつ頭痛を「慢性片頭痛」と呼びます。
前兆症状の種類
・視覚症状:前兆の90%以上は視覚症状。閃輝暗点として現れることが多い。
・感覚症状:2番目に多い。顔面、舌の領域にチクチク感や感覚鈍麻が出現。
・言語症状:最も低い。失語症。
・運動症状:片麻痺。一過性脳虚血発作や脳梗塞の除外が必要。
・脳幹症状:構音障害、回転性めまい、耳鳴り、難聴、複視など
・網膜症状:単眼の視覚症状(閃輝暗点、視覚消失)